仕事中のけがで治療を受けていたり、会社と賃金をめぐって争っていたり、訴訟が終わらないうちに在留期間の満了日が近づいたりすることがあります。今の在留資格ではこれ以上滞在できないなら、その他(G-1)資格を検討できます。G-1は事情が片づくまで一時的に滞在するための資格で、対象・許可期間・就労の可否が類型ごとに違います。
ポイント
- G-1はほかの在留資格に当たらない人のうち、法務部長官が認める人に与えられる資格で、1回の在留期間の上限は1年です。
- 労災治療・病気治療は1年の範囲、訴訟・賃金未払いの仲裁は6か月の範囲で許可されます。
- 労災・治療・訴訟・賃金未払いの類型は、マニュアルの就労許可の対象に入っていません。許可なく働くと違反です。
- 申請は今の在留期間が終わる前に行う必要があります。
1. G-1を受けられる人
在留マニュアルは、G-1の活動範囲を外交(A-1)から結婚移民(F-6)、ワーキングホリデー(H-1)・訪問就業(H-2)に当たらない活動と定め、法務部長官が認める人の範囲を次のように挙げています。
- 労災の請求および治療中の人とその家族(G-1-1)
- 病気、事故で治療中の人とその家族(G-1-2)
- 各種訴訟を進めている人(G-1-3)
- 賃金未払いで労働官署の仲裁中の人(G-1-4)
- 難民申請者(G-1-5)、難民不認定者のうち人道的在留許可者(G-1-6)
- 妊娠・出産など人道的配慮がやむを得ない人(G-1-9)
- 外国人患者(G-1-10)、性暴力被害者など人道的考慮が必要な人(G-1-11)
- 事故などで亡くなった人の家族、人道的在留者の家族、その他の事由に当たる人
2. 類型別の対象と許可期間
労災(G-1-1):労災補償の審査請求や再審請求をしている人、労災で入院治療中または勤労福祉公団の療養承認を受けて療養中の人、後遺症の治療中の人と、その家族(配偶者・直系家族)が対象です。在留期間1年の範囲で入院治療と労災補償が終わるまで許可され、延長は原則として6か月の範囲(重症患者は1年の範囲)です。
病気・事故の治療(G-1-2):登録外国人は滞在中の病気・事故で長期治療が必要になり従来の資格を維持できない場合、短期査証の入国者は事故にあって長期治療が避けられない場合が対象です。在留期間1年の範囲で許可され、延長は1回6か月の範囲です。健康診断・病気治療のため短期査証で入国した後に長期治療が必要になった人は、外国人患者(G-1-10)への変更対象です。
訴訟(G-1-3):労災の損害賠償・チョンセ保証金の返還などの民事訴訟、保釈や勾留取消しなどで身柄を拘束されないまま公判が進んでいる刑事訴訟、家事・行政訴訟を進めている人が対象です。在留期間6か月の範囲で許可され、延長も1回6か月の範囲です。
賃金未払い(G-1-4):雇用労働部に未払い賃金の申立てをして仲裁中の人、申立てをしたが解決せず民事訴訟中の人が対象です。在留期間6か月の範囲で許可され、延長も6か月の範囲です。
3. 必要書類
共通して申請書、旅券、標準規格の写真1枚、手数料が必要で、類型ごとに事由を証明する書類を加えます。
- 労災:労災補償審査請求書または再審請求書、労災による病院の診断書、家族は関係を証明する書類、生計維持能力審査確認書
- 病気・事故:医療機関の所見書など治療の必要性を証明する書類、治療・滞在費用の調達能力を証明する書類、身元保証書
- 訴訟:訴状の写し、訴訟提起証明、法律救助決定書の写しなど請求権の存在を確認できる書類、身元保証書
- 賃金未払い:労働部に出した申立書の写し、労働部発行の未払い金品確認書、身元保証書
延長の際は、その他(G-1)資格審査確認書と滞在地を証明する書類(賃貸借契約書、宿舎提供確認書など)が加わります。受付の過程で書類が増減することがあります。
4. 働くことはできますか
G-1はほかの資格の活動に当たらない活動のための資格なので、働くには別途、資格外活動許可を受ける必要があります。マニュアルで就労許可の対象とされている類型は次のとおりです。
- 事故などで亡くなった人の家族、性暴力被害者など、その他の事由に当たる人:就労制限分野を除く単純労務、最長1年
- 難民申請者:申請から6か月を過ぎた人など、建設業などの就労制限業種を除く単純労務
- 人道的在留許可者とその家族:難民申請者と同じ範囲だが建設業も可能
労災・治療・訴訟・賃金未払いの類型はこの一覧にありません。許可なく働くと資格外活動の違反になるため、処分の内容は資格外活動の処分ガイドをご覧ください。勤務先が変わる場合は改めて許可が必要です。
5. 申請の時期と注意点
- 満了前に申請します。 出入国管理法上、ほかの在留資格の活動をするには事前に変更許可を受ける必要があり、在留期間を過ぎればそれ自体が違反です。すでに期間を過ぎてしまったなら、まず在留期間超過の反則金ガイドを確認してください。変更手続き全般は在留資格変更許可ガイドにあります。
- 事由が終われば期間も終わります。 許可期間は治療や訴訟が続く期間を基準にするため、進み具合を示す書類を引き続き用意しておきましょう。
- ほかの資格への変更が制限されることがあります。 マニュアルは留学(D-2)への変更で、人道的在留許可者などを除くG-1所持者を変更制限の対象としており、不法滞在などの身分からG-1を受けた人は結婚移民(F-6)への国内変更も原則として認めていません。
- 雇用許可制の労働者には回復の手続きがあります。 労災治療などでG-1に変更した外国人労働者のうち、在留期間の上限が残っている人は、非専門就業(E-9)資格の回復手続きをとることができます。
6. 行政士事務所がお手伝いできること
G-1に当たるかどうかの確認、在留資格変更・延長の申請書の作成、診断書・申立書・訴訟書類など事由を証明する資料の整理、事情を説明する疎明書の作成、外国語書類の翻訳をお手伝いします。訴訟代理や刑事弁護は行政士の業務範囲外のため、お受けしていません。
在留期間の満了日が近いなら、治療や訴訟の書類から集めて早めに準備してください。
在留手続きの案内はHiKoreaで確認できます。
