家族が出入国の保護施設に入ったと連絡を受けたとき、まず浮かぶのは「とりあえず出してあげられないのか」ではないでしょうか。方法はあります。保護の一時解除という制度で、保証金を預け、住居の制限などの条件を守ることを前提に、保護をいったん解く手続です。ただし、保護そのものや退去命令を争う手続とは別ものですし、解除後に条件を破るとまた保護されることがある点は、最初に知っておいてください。
要点
- 道は二つです。出入国・外国人官署の長が職権で行うか、被保護者・保証人・法定代理人等が申請して外国人保護委員会(외국인보호위원회)が決定します。
- 保証金は2千万ウォン以下で、住居の制限・定期報告・身元保証人の指定などの条件が付くことがあります(2026年10月時点、第65条第1項)。
- 申請書には、申請の理由と保証金を納める能力を示す資料を添えます。家族が出す場合は、その家族の資格を証明する資料も必要です。
- 条件に違反したり逃亡のおそれが出たりすると取り消され、保証金が国庫に帰属することがあります。
1. 誰が申請し、誰が決めるのですか。
道は二つあります。
一つは職権です。出入国・外国人官署の長が自ら判断して、保証金を預けさせ、条件を付けて保護を一時解除します。このとき官署から、被保護者や保証人、法定代理人等に、保証金を納める能力を説明する資料を出すよう求められることもあります。
もう一つは申請です。被保護者本人、またはその保証人や法定代理人等が申請すると、外国人保護委員会が一時解除をするかどうかを決めます。ここでいう法定代理人等は、保護の事実が通知される範囲と同じです。韓国内にいる法定代理人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹・家族・弁護人、そして保護された人が指定した人が該当します。
施設の中にいる本人が自分で書類を整えるのは難しいので、外にいる家族が準備することが多いです。「家族が代わりに申請してもよいか」という質問がいちばん多いのですが、できます。ただし、家族関係を示す書類が欠けると受付が遅れます。
2. 何を見て決めるのですか。
審査事項は法令に定められています。五つあります。
- 被保護者の生命・身体に重大な脅威や回復できない財産上の損害が生じるおそれがあるか
- 国家安全保障・社会秩序・公衆衛生などの国益を害するおそれがあるか
- 法に反する事実、年齢、人柄、そして調査の過程や保護施設での生活態度
- 逃亡のおそれがあるか
- その他に重大な人道上の事由があるか
三つ目は保護施設の中での態度まで見るという意味なので、保護中に規則を守っているかも影響することがあります。健康上の問題のように一つ目や五つ目につながる事情があれば、診断書などの書類で裏付けておくとよいです。詳しい基準と方法は委員会が別に定めるので、この五つは大枠だと考えてください。
3. 申請書はどう出しますか。
順番は次のとおりです。
- 保護の一時解除申請書(보호 일시해제 신청서。施行規則の書式)を書きます。申請人の情報、被保護者の情報、被保護者との関係を書き、署名または捺印します。
- 申請の理由と保証金を納める能力を説明する資料を添えます。保証人や法定代理人等が申請する場合は、その資格を証明する資料も添えます。
- これを委員会ではなく、被保護者がいる庁・事務所・出張所または保護所の長に出します。
- 官署は申請書に自分の意見書を付けて、遅滞なく外国人保護委員会に送ります。意見書には、処分の経緯と理由、申請の趣旨と理由についての意見、送還の可能性や保護の必要性についての意見などが入ります。
- 委員会が申請書を受け取った日から3週間以内に決定します。やむを得なければ、2週間の範囲で一度だけ延長されます。
- 決定書は官署を通じて申請人に届き、申請人が被保護者でなければ被保護者にも送られます。
一つ注意点があります。委員会の決定が出る前に、官署が職権で先に一時解除をすることもあり、その場合は官署が直ちに委員会へ知らせることになっています。申請したのに連絡がないからといって、却下されたとは限りません。進み具合は受け付けた官署に確認してください。
4. 決定後の保証金と条件
一時解除の決定が出ると、官署の長は保護を解かなければなりません。保証金と条件の扱いは、職権による解除と同じです。委員会は決定にあたって、保証金や条件について官署に勧告することもできます。
官署は、保証金の額と納付の日時・場所、解除の条件、条件に違反すると取り消されて保証金が国庫に帰属することがあるという内容を、申請人に書面で知らせます。保証金は決められた日に決められた場所で納めるので、その日程を逃さないでください。納付と保管は、政府の保管金の取扱手続に従います。
職権による解除で使う一時解除の決定書には、解除期間、保証金の額と納付の日時・場所、解除期間中の居住地、その他の条件を書く欄があります。この決定書は常に携帯し、出入国管理の公務員や権限のある公務員から求められたら見せなければなりません。
保証金は返ってきます。国庫に帰属する場合を除き、その外国人が出国するか一時解除が取り消されるときに、保証金を納めた人へ返されます。家族が代わりに納めたなら、領収の資料は大切に保管してください。
5. 取り消されるとどうなりますか。
一時解除は条件付きなので、次の場合に取り消されることがあります。
- 逃亡した、または逃亡のおそれがあると認められるとき
- 正当な理由なく出頭命令に従わなかったとき
- そのほか一時解除に付けられた条件に違反したとき
取り消す場合、官署の長が一時解除取消書を発行し、再び保護することができます。取消書には取消しの理由と保護する場所が書かれ、本人とその保証人・法定代理人等に交付されます。取り消す前には、その外国人に口頭または書面で意見を述べる機会を与えなければなりません。その機会が来たら見送らず、事情を書いて出してください。
保証金は全部または一部が国庫に帰属することがあります。施行令は、この手続に条件付き入国許可の保証金の規定を準用しています。その規定では、逃亡した場合や正当な理由なく2回以上の出頭要求に従わなかった場合は全部、そのほかの理由で条件に違反した場合は一部を帰属させることができるとされています。帰属の理由と金額を書いた通知書も発行されます。住居の制限や定期報告が付いているなら、一度報告を忘れただけでも条件違反になりうるので、決定書に書かれたとおりに動くのが安全です。
6. 間違えやすい点
一時解除は保護をいったん解くもので、退去の問題が終わったという意味ではありません。強制退去命令に対する異議申立てや、保護そのものに対する審査請求は、期限が別に決まっている別の手続です。それについては出入国の保護・異議申立てガイドをご覧ください。本人が出国を希望する場合は、自主出国ガイドも一緒にどうぞ。
また、保証金の2千万ウォンは上限であって、基本の金額ではありません。法律に具体的な額はなく、事情によって決まります。ここを誤解している方が多いです(2026年10月時点、第65条第1項)。
7. 行政士ができること
サンシャイン行政士事務所(선샤인행정사사무소)では、保護の一時解除申請書の作成と提出代行、申請の理由を説明する疎明書の作成、保証金を納める能力・家族関係・居住地の証拠資料の整理、外国語書類の翻訳をお手伝いします。捜査や刑事裁判での弁護は行政士の業務範囲外のため、お受けしていません。
ご相談は電話02-309-3107、メール[email protected]で受け付けており、相談時間は平日 09:30~17:30です。保護の事実を知らされた日付と、受け取った書類の写真を用意しておくと、整理がずっと早く進みます。
