韓国で暮らす外国人が、デモや集会に参加してもよいか、SNSに政治的な投稿をしてもよいか悩むことがあります。出入国管理法は、滞在する外国人の政治活動を原則として禁止し、違反すると中止命令や退去強制につながり得ると定めています。この記事では、第17条と関連条文を整理しました。どの行為が政治活動に当たるかについては法に具体的な基準がなく、事案ごとの判断が必要なことを先にお伝えします。
要点
- 韓国に滞在する外国人は、この法律または他の法律が定める場合を除き、政治活動をしてはなりません(第17条第2項)。
- 法務部長官は、政治活動をした外国人に書面で活動の中止命令やその他必要な命令ができます(第17条第3項)。
- 第17条第2項違反は退去強制事由です(第46条第1項第8号)。
- 永住資格者は、法が定める例外がなければ退去強制されません(第46条第2項)。
1. 禁止される活動の範囲
第17条第2項は政治活動の禁止を定めていますが、「政治活動」を別に定義していません。そのため、どの行為が当たるかは、活動の内容・目的・参加の方法など具体的な事実関係を見て判断されます。この記事で特定の行為が許される、あるいは禁止されると断定することはできません。他の法律が定める場合は例外であることも条文に書かれています。活動の前に気になる点があれば、滞在地を管轄する出入国・外国人官署に問い合わせるのが安全です。
2. 中止命令とその履行
第17条第3項により、法務部長官は、滞在する外国人が政治活動をしたとき、書面でその活動の中止命令やその他必要な命令ができます。施行令第22条は、活動中止命令書に次を記載するよう定めています。
- その活動を直ちに中止すること
- 命令を履行しないときは退去強制などの措置をとること
- その他必要な事項
この命令書は、法務部長官が直接、または庁長・事務所長・出張所長を通じて当該外国人に交付します。出入国官署の長は、政治活動をしていると認められる人を発見したら、遅滞なく法務部長官に報告しなければなりません(施行規則第26条)。
3. 退去強制事由と手続き
第46条第1項第8号は、第17条第1項・第2項に違反した人を退去強制の対象と定めています。ただし永住資格者は、第46条第2項により、法が定める例外事由(内乱・外患の罪など)がなければ退去強制されません。退去強制の対象と疑われる場合、出入国管理公務員が調査できます(第47条)。調査での権利と手続きは出入国事犯審査ガイドをご覧ください。
第46条第1項各号に当たると認められても、自費で自主的に出国しようとする人には出国命令ができます(第68条第1項第1号)。出国命令を受けても期限までに出国しなければ、退去強制命令書が発付されることがあり、預けた履行保証金が国庫に帰属することがあります(第68条第4項)。選択肢は外国人の自主出国ガイドで比較できます。
4. 活動範囲の制限との違い
第22条により、法務部長官は、公共の安寧秩序や大韓民国の重要な利益のために必要と認めれば、滞在する外国人の居所や活動の範囲を制限し、必要な遵守事項を定めることができます。この制限や遵守事項に違反すると、第94条第14号により3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金の対象で、施行規則[別表7]の犯則金の基準額は1回目300万ウォンです(2026年10月時点)。在留資格以外の活動全般の規定は資格外活動処分ガイドでもご覧いただけます。
5. 活動の前後のチェック順序
- 自分の在留資格と活動内容を点検します。 その活動が政治的な性格を持つかどうか、まず自分で整理しましょう。
- 迷うなら、活動の前に管轄官署へ問い合わせます。 問い合わせの内容と回答を記録しておきましょう。
- 中止命令書を受け取ったら、直ちに従います。 命令書には、直ちに中止すること、従わなければ退去強制などがあり得ることが書かれています。
- 出頭要求書が届いたら、日程と趣旨を確認します。 出頭要求書には趣旨と日時・場所が記載されます(施行令第58条)。
- 活動の経緯と参加の程度を整理しておきます。 のちに説明が必要になったときに役立ちます。
6. 行政書士事務所がお手伝いできること
在留資格と活動内容の点検、出頭要求書・中止命令書への疎明書・意見書の作成、出国命令や在留関連の申請書類の準備、外国語書類の翻訳をお手伝いします。捜査機関による刑事の調査や裁判での弁護は行政士の業務範囲外のため、お受けしていません。
活動が心配なら始める前に、すでに書面を受け取っているなら日付の確認から始めてください。
