韓国の出入国事犯審査で提出する反省文と嘆願書は、決まった様式のある書類ではなく、処分を決める際に考慮される事情を、本人と周りの人が事実どおりに説明する書類です。出入国管理法は、犯則金の通告処分を免除したり金額を決めたりする際に、年齢と環境、違反の動機と結果、犯則金の負担能力、違反回数などの情状を考慮すると定めています(法第103条第2項、施行規則第86条第2項)。反省文は、これらの項目に沿って具体的な事実と証拠を盛り込んで書くことが要です。
要点
- 反省文:本人が事件の経緯、過ちの承認、違反の動機、生活基盤、再発防止の計画を事実どおりに書く書類
- 嘆願書:家族・雇用主・知人が本人の生活と事情を証言し、寛大な処分を求める書類
- 法令上の考慮要素(年齢と環境、動機と結果、負担能力、違反回数)に沿って書き、証拠を添える
- 調査時の供述(調書)と食い違う内容はかえって不利になる
- 行政書士は作成・翻訳・提出を支援し、刑事裁判の弁護は弁護士の業務
1. 事犯審査で反省文と嘆願書はどのような役割を果たしますか?
「出入国事犯審査」は法令用語ではなく、出入国管理法違反などで出入国・外国人官署の調査を受け、犯則金・出国命令・強制退去などの処分が決まる過程を指す実務上の呼び方です。この過程で、法令は次のように情状を考慮できると定めています。
- 犯則金の金額:年齢と環境、違反の動機と結果、犯則金の負担能力、違反回数などを参酌し、基準額の2分の1の範囲で減軽または加重(施行規則第86条第2項)
- 通告処分の免除:法務部長官は同じ事情を考慮して免除できる(法第103条第2項)
- 過料の免除:年齢と環境、違反の動機と結果、過料の負担能力などを考慮して免除できる(法第100条第5項)
出入国管理法・施行令・施行規則の条文と、法務部の滞在管理マニュアル(2026年9月版)には、反省文・嘆願書を定めた規定や様式はありません(2026年10月3日の検索時点)。そのため、反省文と嘆願書は上記の考慮要素を担当公務員に伝える意見書類と理解するのが正確です。
2. 反省文には何を書けばよいですか?
考慮要素に対応させて次の順に書くと、読む人が判断に必要な情報を漏れなく見つけられます。
- 本人情報 — 氏名、国籍、生年月日、外国人登録番号、現在の在留資格と在留期間
- 事件の経緯 — いつ、どこで、何をしたかを日付と事実中心に
- 過ちの承認 — どの規定に違反したかを自分の言葉で整理し、責任を認める文
- 違反の動機 — なぜそうなったか(例:在留期間の満了日を誤って理解していた経緯)を、言い訳ではなく事実として
- 結果と回復 — 被害の回復、示談、納付済みの罰金・犯則金など、違反後に行ったこと
- 年齢と環境 — 韓国での家族関係、職場、学業、納税などの生活基盤
- 再発防止の計画 — 在留期間の管理方法、勤務先を変える前の許可手続の確認など、実行できる計画
- 作成日・氏名・署名
3. 嘆願書は誰が、どのように書きますか?
嘆願書は、本人をよく知る人が本人の生活と事情を第三者の視点から証言する書類です。配偶者・家族、雇用主、指導教員、長く付き合いのある地域の人などが書けます。
- 作成者の氏名、連絡先、本人との関係、知り合ってからの期間
- 作成者が直接見た具体的な事実(例:勤務態度、家族の扶養、事件後の変化)
- 本人が韓国にとどまる必要がある事情と、寛大な処分のお願い
- 作成日と署名、作成者の身元を確認できる資料(身分証の写し、在職証明書など)
作成者を確認できる資料を添えておくと、誰が書いたかを確かめやすくなります。
4. 一緒に出すとよい証拠資料は何ですか?
反省文の言葉は、証拠があってこそ説得力を持ちます。事案によって異なりますが、考慮要素ごとに次の資料を検討します。
| 考慮要素 | 検討する資料の例 |
|---|---|
| 結果と回復 | 処分結果の書類(略式命令・判決文など)、示談書、処罰不願書、罰金・犯則金の納付領収書 |
| 年齢と環境 | 家族関係の書類、在職証明書、在学証明書、賃貸借契約書 |
| 負担能力 | 所得資料、財務状況がわかる資料 |
| 違反回数 | 過去に違反歴がないことの説明 |
| 再発防止 | 講習の修了証、勤務先変更許可の申請など事後措置の記録 |
必要な資料は、出席要求書や担当公務員の案内が優先です。まず出席要求書に書かれた提出物を確認してください。詳しい一覧は事犯審査の必要書類にまとめています。
5. 反省文で避けるべき表現は何ですか?
- 事実と異なる内容 — 調査時の供述は調書に記載され、本人に読み聞かせるか閲覧させたうえで訂正の有無を尋ねなければなりません(法第48条第3項・第4項、第102条第4項で準用)。反省文が調書と食い違えば信頼を失います。調書に誤りがあれば、その場で訂正を求めるのが先です。
- 責任転嫁 — 雇用主や知人のせいにするだけの文。事情は事実として説明し、判断は担当公務員に委ねます。
- 守れない約束 — 具体性のない誓いよりも、実行できる計画を一つか二つ書くほうが効果的です。
- インターネットの例文の丸写し — 決まり文句を並べた書類では、本人の事情が伝わりません。
6. 外国語で書いてもよいですか?
正確に表現できる言語で書き、韓国語の翻訳文を添える方法をおすすめします。法令は、調査の段階でも、韓国語が通じない人の供述は通訳人に通訳させ、供述中の韓国語以外の文字や符号は翻訳させるよう定めています(法第48条第6項・第7項、第102条第4項で準用)。反省文も、担当公務員がそのまま読めてこそ意味があります。
7. いつ、どこに提出しますか?
反省文と嘆願書は、処分が決まる前に出してこそ意味があります。出席要求書を受け取った場合は、要求書を送った地方出入国・外国人官署に出席する際に持参するか、担当公務員に提出方法を事前に確認します。すでに犯則金の通告書を受け取っている場合は、送達を受けた日から15日以内に納めなければならず、納めないと告発の対象となるため(法第105条)、まず期限を確認してください。
8. 当事務所がお手伝いできること
- 経緯と考慮要素を整理した反省文・意見書の作成支援
- 家族・雇用主が書く嘆願書の構成のご案内
- 外国語の反省文・証拠資料の韓国語翻訳
- 出入国・外国人官署への提出代行と出席前の準備
行政書士は、行政機関に提出する書類の作成、事実証明に関する書類の作成、書類の翻訳と提出代行ができます(韓国行政士法第2条第1項)。刑事裁判の弁護と訴訟代理は弁護士の業務ですので、刑事手続が続いている場合は弁護士への相談もあわせてご案内します。
公式の基準 — 条文(日本語は当サイトの訳)
- 出入国管理法第103条第2項:「法務部長官は、出入国事犯の年齢と環境、法違反の動機と結果、犯則金の負担能力その他の情状を考慮して、第102条第1項による通告処分を免除することができる。」
- 同法施行規則第86条第2項:犯則金は「当該出入国事犯の年齢と環境、法違反の動機と結果、犯則金負担能力、違反回数等を参酌して」、基準額の「2分の1の範囲内で減軽または加重することができる」
- 同法第48条第4項:調書を「容疑者に読み聞かせ、または閲覧させた後、誤記の有無を尋ねなければならず、容疑者がその内容の追加・削除または変更を請求したときは、その供述を調書に記載しなければならない」
- 韓国行政士法第2条第1項:行政機関に提出する書類の作成(第1号)、権利・義務または事実証明に関する書類の作成(第2号)、行政機関の業務に関連する書類の翻訳(第3号)、作成した書類の提出代行(第4号)
基準日:2026年10月3日、韓国国家法令情報センターの現行法令で確認
関連ページ
出席要求書や通告書を受け取ったら、まず記載された日付を確認してください。反省文・嘆願書に盛り込む事実と証拠を、ご相談で一緒に整理します。
