在留資格や在留期間に問題がある外国人は、病院に行くとき、子どもを学校に通わせるとき、犯罪被害を届け出るときに、「公務員が出入国に知らせるのでは」と心配します。出入国管理法第84条には、公務員の通報義務とその例外が定められています。この記事では、条文どおりに範囲と限界を整理しました。ただし、免除事由は限られており、在留の問題を解決する制度ではないことを先にお伝えします。
要点
- 国や地方自治体の公務員は、職務の遂行中に退去強制事由に当たる人やこの法律に違反すると認められる人を発見したら、遅滞なく官署の長に通報しなければなりません(第84条第1項本文)。
- 通報すると職務の本来の目的を達成できない場合で、大統領令が定める事由に当たるときは通報しなくてもかまいません(第84条第1項ただし書、施行令第92条の2)。
- 免除は、その公務員の通報義務に対する例外にすぎず、在留状態が適法になるわけではありません。
1. 通報義務の基本
第84条第1項は、義務の主体を国や地方自治体の公務員と定めています。職務の遂行中に、第46条第1項各号の退去強制事由に当たる人やこの法律に違反すると認められる人を発見したら、その事実を遅滞なく地方出入国・外国人官署の長に知らせなければなりません。同条第2項は、刑務所・拘置所などの長が、通報対象の外国人の釈放や出所が決まったときに遅滞なく知らせるよう別に定めています。
2. 通報義務が免除される事由
第84条第1項ただし書により、施行令第92条の2は次を免除事由と定めています。
- 幼稚園および初中等学校で、外国人学生の学校生活に関連して身上情報を知った場合
- 公共保健医療機関で、担当公務員が保健医療活動に関連して患者の身上情報を知った場合
- 児童福祉法上の保護措置や児童関連の業務を行う過程で身上情報を知った場合
- 青少年相談福祉センターで、相談・緊急救助・自立・医療支援などの業務中に身上情報を知った場合
- その他、公務員が犯罪被害者の救助、人権侵害の救済など法務部令が定める業務を行う過程で、その外国人の被害救済が優先して必要だと認める場合
第5号の法務部令の業務は、施行規則第70条の2が定めています。殺人・傷害・暴行・監禁・脅迫・人身売買・強姦・わいせつ・窃盗・強盗・詐欺・恐喝などの犯罪の捜査、暴力行為処罰法・性暴力処罰特例法・交通事故処理特例法違反の犯罪の捜査、職業安定法違反の調査、国家人権委員会法上の人権侵害・差別行為の調査と救済、賃金未払いなどの調査・監督、その他法務部長官が定める業務などです。
3. 免除の限界
- 対象は「公務員」です。 第84条は公務員の義務を定めているため、どのような機関か、職務中に知った情報かによって適用が変わります。
- 免除は列挙された業務に限られます。 その業務に関連して知った身上情報が対象で、別の目的の接触には免除が及ばないことがあります。
- ほかの経路は別にあります。 出入国管理公務員は外国人が適法に滞在しているか動向調査ができ(第81条第1項)、外国人を雇用したり宿泊させたりした人を訪問して質問することもできます。
- 在留の問題そのものは残ります。 在留資格がない、在留期間を超えた状態は依然として違反です。在留期間の超過は第94条第17号に違反し、3年以下の懲役または3千万ウォン以下の罰金の対象で、退去強制事由にも当たります(第46条第1項第8号)。
4. どう対応すればよいですか?
在留に問題があるなら、免除事由を当てにするより、在留状態を整理する方法を先に確認するのがよいでしょう。自費で自主的に出国しようとする人には出国命令ができるため(第68条第1項第1号)、外国人の自主出国ガイドをご覧ください。違反の類型別の犯則金は出入国の罰則総合ガイドに、通告書を受け取ったときの手続きは通告処分対応ガイドにまとめています。
5. 今できる順序
- 現在の在留資格と残りの期間を確認します。 外国人登録証と旅券の日付を見ましょう。
- 治療や学業は必要なだけ続けます。 必要な医療や教育をあきらめないよう、機関に利用手続きを問い合わせてください。
- 被害を受けたなら、内容を記録します。 日付・場所・証拠を整理しましょう。
- 在留の問題を整理する方法を確認します。 延長・変更・自主出国のどれが選べるか点検します。
- 出頭要求書や通告書が届いたら、まず期限を確認します。 通告書は受け取った日から15日です。
6. 行政書士事務所がお手伝いできること
在留状態の点検、在留期間の延長・資格変更・出国命令の申請書類の準備、違反の経緯を説明する疎明書の作成、外国語書類の翻訳をお手伝いします。告発後の捜査・刑事裁判での弁護は行政士の業務範囲外のため、お受けしていません。
ご心配な状況なら、まず日付と書類を整理してからご相談ください。
